終わりではなく「始まり」

今回はとてもタイムリーなお話をさせて頂こうと思います。

その出来事が起こる約1週間程前から違和感を感じる様になりました。

何度眠り夢を見ても必ず家族が集まり、そこには祖母もいる、、、


私の祖母はもう随分前に認知症になってしまいましたが、まだ元気な時は祖父と共に一緒に海に出て海女をしていました。

海女小屋で食べる取れたての雲丹や鮑はとても美味しかったです。

小さい頃はそれが当たり前で、それがとても高級食材だなんて思いもしないで食べていました。

、、、今思えばとても贅沢極まりないですよね。

その共に海に出ていた祖父にも、もう随分前に先立たれ、家も海の目の前で祖母の子供達(私の親やその兄弟ですね)も目と鼻の先に住んでいると言う訳では無かったので、いつ認知症の影響で昔の事を思い出し海に入ってしまうか分からず危険だからと言う兄弟達の話し合いの末、苦渋の決断ではありましたが施設で面倒を見て貰う様になりました。

その頃には私は進学で地元を離れてしまっていたので頻繁に会いに行く事が出来なくなっていました。

認知症も年々酷くなり、最初の頃は会いに行ってもちゃんと会話が出来ていたのですが最後に昨年会いに行った時には祖母はもう私を私と認識出来ない様になっていました。


そんな祖母から突然沢山のメッセージが届く様になった。

その1週間後に母から

「2-3日前からもう目も開かなくなり会話も出来ず、ずっと眠っている状態でこのままゆっくりと逝くか、突然苦しんで逝ってしまうかもしれないから覚悟をしておいて」

と連絡が来ました。

母に祖母の様子がおかしくなり出したのは1週間くらい前から?と聞くと答えはYES。

だからこんなにも祖母から沢山メッセージが来る様になったのかと納得が出来ました。


そんな祖母の命の糸を視てみると残りが約3日程の長さしか残っていなかった。

とても残念な事に私は都内に住んでいる為、もしもの事があっても実家に戻る事は控えてと言われてしまったので、私は大急ぎでその日に祖母宛の手紙を書き、その内容には「会いに行けなくてごめんね」ではなく「私が今会いに来たよ」と言う出だしで書き綴っていった。

例え私の身体が側に行けなくても、気持ちは祖母の側にいたから。


母からの祖母の知らせを受けたのが8月29日の午前8時、その知らせを受け急いで午前10時の郵便の集荷に間に合う様に手紙を速達で投函し、そして手紙が届き母が祖母にその手紙を読み聞かせてくれたのが30日の午後。

母が私の手紙を祖母に読み聞かせていると、とても不思議な事が起こったのだと伝えてくれた。

目も開かず、ずっと眠っていて会話する事も出来なかった祖母が私の手紙の内容を聞き出した途端に目を開け、読み聞かせる母に対して「うん。うん。」と相槌を打ち、何かを伝えようとしたと言うのだ。

施設の職員も母も父もこの祖母の奇跡をしばらく信じられなかったと言っていました。


そして9月1日午前8:25、祖母は苦しまず静かに息を引き取りました。

母は「まるで私の手紙を待っていた様だたよ」と言ってくれました。

それは触れてあげれなかった私としては本当に嬉しい事でした。


さて、私の仕事はここからです。

悲しんでなんていられません。

祖母は「死」を恐れていなかったから。

死期が近付いて来た頃から先に旅立った祖父が何度か祖母の元に会いに来てくれていて、死を目の当たりにした祖母の不安を取り「怖がらなくても良いよ」と伝えてくれていたからです。

そんな祖母が残された家族に今して欲しい事。

そして声が出なかったけれど必死に伝えようとしていた事。

それらを私は家族に伝え、お葬式に活かす様に伝えました。

私からだけではなく、他の家族も手紙を書き、それを祖母の着ていた割烹着のポケットに入れ一緒に棺に入れて貰いました。


親族にも「今祖母は祖父と一緒にいてとても柔らかな笑顔でいる。苦しくもないし怖がってもいないから悲しむのではなく、祖母と祖父の新しい旅路を笑顔で行ってらっしゃいと言い見送ってあげて」と伝えました。

それが祖母の願いだったから。


人は「死」を恐れますが、肉体から魂が離れただけで何も怖い事はございません。

新しい「次の人生」へのスタートを地点に立っただけなのですから。


よく亡くなってから49日間は現世に魂が残っていると言いますが、実際には残っている日数は個人差がありバラバラです。

とても早く上に上がれる魂もいれば、49日を過ぎても上に上がれない魂もいます。

その違いは

この世への未練をいかに早く脱ぎ捨てられるかどうか

です。

幸い祖母は生前から祖父が話しかけに来てくれていた事もあり、そして今世に残った親族も祖母に対して悲しみよりも感謝の気持ちが強くなれたので、49日も現世には残らなそうです。10日くらい、、後4日程で上へと上がれそうです。


上に上がってからきっと祖母は先に上に上がった魂達と挨拶をしたり、楽しく会話をしたり、、

そして祖父と次の人生についての打ち合わせをして楽しみを沢山作る事でしょう。

その姿を想像すると私も最期に会いに行けなかった悲しみよりも、来世への楽しみを沢山作ってワクワクしている祖母につられて私も笑顔になってしまいます。


コロナの影響で最後の最期に会いに行けなかった事は本当に残念ですが、心はちゃんと側にいましたし、その時に出来る限りの事はしたつもりです。

もしこのブログを読んだあなたにこの先、誰かとの別れが来て会いに行けなかったとしても投げ槍にならず自分が出来る限りの事をしてあげて下さい。

あなたのその気持ちはきっと私の祖母の様にちゃんと届きますから。


何度も言いますが

「死は終わりではなく新しい人生の始まり」

悲しむよりもその人の今世での人生で教えて貰った事に感謝の気持ちを伝え、そして新しい人生を楽しんでねと見送ってあげて下さい。

きっとあなたの来世でも何らかの形で会えるはずですよ。

どんな形で再会出来るかはその時のお楽しみです。



おばあちゃん、今まで本当にありがとう。

最期に沢山伝えてくれてありがとう。

親族もみんな「おばあちゃんが伝えたい事が分かって良かった」って言ってくれたよ。

「何もしてあげれなかった」って自分を責めずに見送れたって言ってくれたよ。

久しぶりのおじいちゃんとの上での時間を楽しんでね。

おばあちゃんとおじいちゃんにはあっちの世界はどんな風に見えているのかな?

きっと海の綺麗な場所なんだろうなって私は感じているよ。

おばあちゃんから貰った沢山の笑顔と、人間だけではなく全ての物事に対して優しい気持ちを持つと言う教えはこれからも大事にして行くからね。





あなたとの出会いに感謝します。



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